こんにちはFAロボットマネジメントの三輪です。
今回は金属加工業が自動化するべき工程について考えていきたいと思います。
金属加工業と言っても、加工内容によって業態は細分化されていますので今回は代表的な業態別に自動化するべき工程を挙げていきます。
1、板金加工業
板金加工業といえば溶接ですね。
溶接ロボットの導入の必要性は言わずもがなですが、実は製品を製作する過程の作業内容や作業時間を良く分析してみると溶接より時間が掛かっており属人化している工程があります。
それは研磨工程です。
製缶加工を始め溶接した部分のビード研磨やSUS製品の外観品質向上の為の磨きなど板金加工には多くの研磨工程が存在しています。
私自信多くの企業様で作業分析を行っていますが、溶接の2倍から3倍の時間を研磨に掛かっている企業様は本当に多いです。
結果として製品出荷までにL/Tが長くなり、人的資源が研磨作業を行なっているが故に溶接作業を進められない等の事象は多く見受けられます。
研磨にも沢山種類があり要求品質別に求められるスペックは様々ですが、最近ではATC(オートツールチェンジャー)でさまざまな番手の砥石やツールを持ち替えて粗取りからバフ研磨までロボット研磨で作り上げる事が可能です。
研磨の自動化に関しては別記事で詳しく取り上げていきたいと思いますが、板金加工業の企業様といえば溶接ロボットと思われるかもしれませんが、実は研磨のロボット化を進めた方が全体最適となる事が多いですね。
2、機械加工業
次に機械加工業ですね。
精密加工を行う機械加工業は保有している工作機械の種類や性能によって様々ですが、基本的に加工は工作機械任せであり、作業員はNCプログラム作成や工作機械の維持管理が核な業務でしょう。
特に複合加工出来る工作機械では工作機械が加工している間は手が空く為に次の加工品の準備やNCプログラム作成に時間を使っている事が多いと思いますが、ここが人が発揮する付加価値の高い業務と言えると思います。
つまり作業員がこの時間を長く取れる事がより付加価値を生むと思います。
工作機械のオペレーターが工作機械が稼働している時間に何をしているか?を分析してみると、以外と加工の様子を見ながら何もしていない時間があったり他工程に部品を取りに行ったりと割と手を動かしていない時間が多い事が多々あります。
あとは作業員が多台持ちしている工作機械にワークセットをしている事も多く、順調に工作機械が動いて順序良くワークセットを行えれば良いですが実際には、一つの機械を段取りしている間他の機械が停止していたり、多品種であるが故に加工時間のバランスが上手く取れず多台持ちのメリットを上手く使えていない事も良く見受けられます。
労働生産性を高める為には作業員がNCプログラムを作成する時間や効率良く設備を段取りする為の準備などに時間を割くべきですが、ワークセットや他工程への移動などに時間を割いている環境ではそれは非常に厳しいと思います。
やはり機械加工業は工作機械へのワークセットや工程間の部品搬送などをロボットやAGV、AGFを活用して自動化して作業員には付加価値の高い業務に集中してもらう事が肝だと思います。
しかし機械加工業の企業様は投資出来る余力がある時に工作機械を購入する事を中心に考えている事が多く労働生産性の改善が後手に回っている事が多いですね。
今後の人材不足環境ではいかに人材を有効に働いてもらうかが競争力に直結していきますので、多品種少量生産といえど積極的に加工機へのワークセットや工程間搬送の自動化に挑戦していただきたいですね。
その結果として無人での夜間操業も可能となり生産性は2倍3倍を達成する事も視野に入ってくるでしょう。
他にもプレス加工業や鋳造加工業など金属加工には様々な業態がありますが、また別コラムにて取り上げていきます。
FAロボットマネジメントは自動化に挑戦する企業様を全力で応援します。
無料現場診断等もご対応させていただきますので、何かご質問等ございましたら問い合わせフォームよりご連絡ください。
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