少量多品種の付加価値を生まない工程の自動化について

こんにちは

今回は付加価値を生まないけど属人化している工程の自動化について考えていきます。

まず、日本の中小製造業で多量少品種でものづくりを出来ている企業は少ないでしょう。
当然複数品種を生産しているなかで、受注によって生産数は変動するでしょうが、単一品種を1か月ずっと同じラインで生産するような事はあまりないと思います。
なぜかというと、結局量産しやすい多量少品種は大手が社内で生産し、生産効率を高めて原価低減を行っている為、大手の下請けとなる事の多い中小製造業では、多量少品種の生産委託はあまりないでしょう。

更に大手でも時代やニーズの変化による商品のラインナップや在庫金額の抑制等の戦略的な意図によって少量多品種生産に取り組んでおり、現実的に同じものをずっと作れば儲かるような製造業は大手にも中小にもほとんど無いと言えます。

とは言え,大手の少量多品種と中小の少量多品種では、生産ロットの桁が違いますので、やはり中小規模の製造業の方がより少量且つ多品種への対応が迫られるという事です。
つまり自動化が難しいという事です。
それ故に,中小製造業の自動化が進んでいかないのです。

確かに工作機械や包装機などの進化に伴い、要素工程の自動化は図られてきていますが、それでも結局工程間の資材の受け渡しや梱包など、あまり付加価値を生まない工程且つ品種毎の細かい段取りが必要な工程の自動化は皆無と言っていいほど進んでいないです。

付加価値を生まない工程で更に段取りが大変な工程であれば、当然投資効果が生まれにくいと考えて後回しになってしまいますよね。
そして結局人に頼ってしまいます。
結果、人員がいないと稼働が出来ない為、人員不足が大きな問題となっていきます。

どうせ付加価値を生まない工程にお金をかけるなら、もっと新しい工作機械を買おうみたいな事はよく聞きますが、結局ものづくりの全工程を通して初めてお客様のところに商品を届けて初めて価値が生まれるので、やはり自動化を考えるときには生産工程全体で生む付加価値という視点で考えるマインドに思考をチェンジをしないと、そもそも自動化をしようという風に考えが至らないと思います。

人材不足に困っていて将来的に不安があり、自動化を検討しているんだけど、投資効果が合わないからやってない。

この言葉は本当に良く聞きますし、間違いない事実だと思います。

付加価値を生まない工程として挙げられるのは、工程間の運搬や自動機への部品供給、箱詰めなどでしょうか。
このような工程は、基本的に特殊な技能や加工が行われない事が一般的であり、少量多品種による段取りが複数在り、従業員はパート・派遣社員などです。
当然自動化の難易度は高く、システムインテグレータ等にシステムを構築してもらうとなれば相応の費用が掛かるでしょう。そして、得られる効果がパートさんの作業1名分だと考えれば、投資効果の算定は厳しいです。

確かに工程によって付加価値を生むところとそうでない工程があるのは事実ですが、生産工程全体で見てみると、工程全体で生まれた付加価値は工程全体の人員によって創出されるわけなので、結果的に人材不足によって稼働が出来ない状況になれば工程全体で生まれる付加価値が減ってしまうわけです。
つまり、将来的に人材不足のリスクがある場合、工程は関係なく、生産に必要な人員数(直接人員)の数を減らしていくしかないのです。

つまり、あくまでリスクヘッジの一環として投資するということです。

長期的な視点で計画的にリスクヘッジを行うことが必要であり、社会環境の変化により生産活動に大きな影響が出ないように準備していかないといけません。

将来的なリスクヘッジの為に大きな投資をすることは難しい面もありますので、投資は必要かつ最小限で補助金や助成金を活用して進めていくのが、現実的でしょう。

付加価値を生まない工程の自動化は、必要最小限の投資に抑えリスクヘッジとして計画的に実施していくということを述べてきましたがいかがでしょうか。

次はどうやって設備投資を抑えていくか?ということについて述べていきたいと思います。










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