製造現場を劇的に革新する工程間物流の自動化で生産性を向上させる!(工程間物流を自動化する意味と効果について解説)

こんにちは

FAロボットマネジメントの三輪です。

皆さんはOHTという機器をご存知でしょうか?

OHTとはOverhead Hoist Transportの略で、半導体の製造工程に用いられる工程間搬送機器です。
特徴的なのは天井にレールを引いて工程間の物流を自動化出来る点です。
天井付近を走行するロボットからはベルト駆動にて荷物を床面まで上下させる機構がついており、様々な現場ロケーションで工程間搬送を可能にします。
更には加工機へのワーク投入も自動で行う事が出来る為違うフロアにある加工機に人間が一切手を触れる事無く部品を搬送して加工機の投入する事が可能なのです。
可搬重量も大きなものは200kg可搬もありますので、製造現場で人が運搬するようなものは全て自動で運べると言っても差し支えないでしょう。

そもそも製造業には昔から工程間搬送という誰もが課題感を持ちながらなかなか自動化されていない問題があります。
ものづくりは、材料から完成品にするまでに多くの加工を経由していきますが、各工程間のモノの移動は人が行っている事がほとんでです。
キャスター付きの台車や棚を人が押して運んでいるこの作業は数百年前から全く進歩していない作業です。

そしてこの工程間のモノの移動(工程間物流)は製造の工程上必ず必要になり人的工数や費用が掛かっているにも関わらず、工数として管理されておらず、原価として計上も請求もされていない訳です。
つまり無価値の業務として扱われています
全く付加価値を生まない業務にも関わらず、人が作業しているの代償として本来、人がやるべき付加価値作業に充てる時間が減少し生産性が低下するのです。

製造業を取り巻く環境として労働人口減少と新規入職率の低さからの人材不足があります。
今後20年で20%の人材が減少する事が予測されている中で、製造業の工程の自動化は待った無しの課題ですが、工程間の移動が労働生産性を著しく低下させる要因であると気付き自動化に踏み切っている企業はまだまだ少ないです。

また4M的な視点で見ても工程間物流は大きな変化点です。
品質面でも管理面でも重要な工程であり、この重要な変化点を人が作業する事で人為的なミスから品質保証が難しくなるリスクがあります。
重要な管理ポイントである工程間物流を自動化する事は労働生産性向上のみならず品質や加工の標準化と保証にもつながるのです。

このような課題のある製造業の工程間物流の改善策としてOHTやAGVがあります。
国内中小製造業では狭い敷地内に工作機械が隙間無く敷き詰められている事が多く、大きな台車は通れないから小さい台車で何往復も移動しているなんて事も良く耳にします。
このような業界には特にOHTで天井付近のエリアを有効活用する事が非常にメリットが大きいと思います。
天井付近には部分的にホイストやクレーンが設置されているものの空いてるスペースは多く、OHTを活用する事で現場の様々な加工機や作業スペースと後工程を直接接続する事が可能です。
作業者は、ミッションである本加工を行う場所から離れる事なく加工を行う事が出来、加工が完了したものは後工程に自動で運ぶ事が出来ます。
作業中に必要な材料や備品を携帯電話等で前工程に連絡して発送してもらうなんて事も可能ですね。
OHTの走行に必要なレールは事前に設置しておく必要がありますが、決まったルートをいつも巡回する様なモノでは無く、各ポイントに分岐点を設ける事が可能で、OHTが目的地を目指して様々な分岐点を経由して到達する事が可能です。
一つのレーンに複数台のOHTが同時に走行し、各分岐点で分岐や合流しながら自動走行ロボットが走る高速道路のようなものです。

まず製造業の皆様には工場内でどれだけの時間や人が工程間物流を行い本来やるべき加工以外の事に時間を浪費しているか計測いただきたいものです。
TOYOTA改善方式ではよく歩行のムダという言葉を用いますが、毎日繰り返し行われる価値を生まない歩行時間は1日単位では大きくないかもしれませんが、1年通してみると大きなムダである事を認識する事は非常に大事なポイントです。

その計測された時間と費用(コスト)は確実に原価として存在します。
つまり、工程間物流の自動化は、コストを削減する事と同時に生産性が向上し、品質や部品管理の精度が向上が見込めるわけです。
工作機械や工程の自動化にばかり目がいきがちですが、工程間物流でも大きな改革が今後必ず求められてくると思います。
競争力を有し、労働生産性が高い生産現場を目指して改革いただく事を強くおすすめしたいと思います。

FAロボットマネジメント株式会社は工場の自動化を推進したい企業様を全力で支援します。
当コラムに対するご質問等ございましたら、下記のフォームより是非お問い合わせください。

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