「磨く」と「削る」をロボット化するべき理由とその方法・・ 研磨工程へのロボット導入の為のポイント解説・・前編

こんにちは
FAロボットマネジメントの三輪です。

今回は製造業において大なり小なり様々な工程で行われている研磨工程へのロボット活用についてその必要性と方法について述べていきたいと思います。

研磨と言ってもその中身は加工方法も要求品質も様々ですが、金属加工をはじめ樹脂、木材など整形されるモノの表面の寸法交差や質感を要求品質に仕上げる為に必ずと言って良いほど施工される事が多い加工方法です。

そして研磨工程はその製品の重要な外観や寸法品質を左右する工程な為、人による手作業で行われる事が当たり前となっています。

その作業の中身は、高速回転する砥石(研磨性能によって様々な種類の砥石を使い分ける)を加工部に押し当てる事で実施する事がほとんどです。
高速回転する砥石を人が操作するが故に労働災害のリスクが常につきまといます。
砥石の破損や飛散による裂傷や失明などの災害事例も数多く発生している危険作業であり、作業者は常に災害のリスクを感じながら緊張状態の中、長時間の研磨作業を行なっています。

直接的な災害以外にも、研磨する以上必ず発生する砥石や加工物の削れたカス(微細な粉)が粉塵となって周囲に飛散し、作業者が呼吸器から吸引してしまい健康被害を招くリスクもある為に作業員は防護マスクや保護メガネの着用が必須です。

真夏の暑い現場の中などで保護メガネ・防塵マスク・長袖長ズボン・革手袋などの完全防備の服装で作業させる事を徹底出来てる企業はそうはありませんし、ある意味作業員任せになっている事も実情としてあると思います。

裂傷のリスクと健康被害リスクが有る3K作業の代表格とも言える研磨加工は現場作業員に多大なる負荷を掛けており製造現場の中でも不人気な加工工程となっています。
特に外国からの技能実習生やZ世代と呼ばれる若手の人材は嫌がる傾向があります。

更に問題なのは研磨加工に掛かる時間と属人化している技能と良否判断です。

溶接加工では溶接ビードを研磨、樹脂成形やダイカストなどではバリ取り、医療機器や超精密加工の場合や外観美品などはバフ研磨等の研磨作業を行いますが、その作業が形を作る主加工よりも時間が掛かってボトルネックになっているケースを良く見かけます。
つまり研磨加工の時間が製造におけるL/Tの大半を占めており日々の生産量の能力がここで決まってしまうという事です。

更に研磨作業は明確な作業手順や加工後の状態が定められていない為、人が判断しながら加工を行います。
結果として人によって作業時間や作業品質がバラバラで製品性能や品質も不安定になります。

見積もり段階で想定している工賃を大幅に超える時間を要してしまい、大変な時間を掛けてる割には儲からない、儲かっていない事に気付けない。
という事が常に起こり得るという事です。

常にリスクと隣り合わせの作業で作業員が怪我をして休職や退職した場合にも作業の引き継ぎが出来ず、研磨作業が出来ない、時間が倍掛かる、品質が維持出来ない、という事も起こり得ます。

だからこそ研磨工程の自動化を行う事が必要なのです。

生産L/Tの多くの割合を占める研磨作業の処理能力を上げたいと考えた時に従来の手作業のままでは人を雇って教育をしないといけません。
3K作業の代表格である研磨作業をする為の人材を採用するのは非常に難易度が高く、仮に採用出来ても育成に掛かる費用や期間と属人化している事のリスクはそのまま放置という事になってしまいます。

ロボットで現場の研磨作業の自動化を行う事で加工能力や品質を安定させると同時に人材不足へのリスクヘッジを行う。
そして研磨の高い技能を持っている作業員には、ロボット出来ても再現出来ないレベルの感覚領域が必要な本当に付加価値の有る工程に集中してもらう。
この様な取り組みが必ず必要になると思います。

今回は研磨作業をロボット化する必要性について述べてきましたが、いかがでしょうか。
後編では実際に研磨のロボット活用を行う為機器やシステム構成について述べていきたいと思います。

FAロボットマネジメントは自動化に挑戦する企業様を全力で応援します。
無料現場診断等もご対応させていただきますので、何かご質問等ございましたら問い合わせフォームよりご連絡ください。

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